(株)芦原冷間鍛造

芦原冷間鍛造英語HP

冷鍛の長所・短所

冷鍛の長所 【材質改善可能】
鍛造や粉末焼結によるもろい組織の材料を鍛錬し熱処理と合わせて強靭にしたり、軟質材料を加工硬化させて強化し、被削性を改善できるばかりでなく、異材料を圧接して複合材を作ることができる。
【鍛流線形成による強靭化】
すでに圧延、押出し、鍛錬鍛造など一次塑性加工によって繊維組織をもたせた材料を素材とする鍛造においては、一般にその繊維が鍛造品の表面に沿って通る鍛流線を形成するので、鍛造品使用のさいに表面に生じる引張応力に対して強靭となる。この強靭性こそ、鍛造が他の競合加工方法に対してつねに優位を示す長所である。
【大量生産性】
金型を用いる鍛造によって完成品またはそれに近い寸法・形状と表面状態をもつ鍛造品を1分間に小物で数百個、大物でも数個くらいの速度で作ることができる。
【多種少量生産への対応】
汎用工具を使用する自由鍛造によって多種少量生産に対応でき、またアンダーカットのある複雑形状も成形できる。局部加圧であるから加工荷重も低くてすみ、大形品を小容量の機械で加工しうる。
冷鍛の短所

【工具・機械に対する大負荷】
素材と工具間の面圧は最も低いときでも材料の変形抵抗に等しく、型鍛造や押出しにおいてはその数倍にも達する。
【素材費高価】
鍛造用素材材料における変形能はある程度以上なくてはならない。特に冷間鍛造用材料は高変形能・低変形抵抗・良焼入れ性が要求されるばかりでなく、仕上げ切削・研削を省けるようにするには素材に高い寸法精度と表面品質も必要とされ材料単価が高くなる。複雑な形状の鍛造品の単純形状素材からの成形には、ばりとして捨てられる材料の体積がかなり多くなることもある。また、後仕上げを必要とするときは、材料の鍛造性と被削性を両立させるような材料が必要となる。
【環境不快】
鍛造の多くの作業は危険・不快感を伴いやすく、特にハンマー、機械プレスによる作業では騒音・振動対策に費用がかかる。
【段取替え長時間】
金型を用いる作業の自動化のための高生産性設備、作業環境改善のための設備などは作業段取替えにかなりの時間がかかるため、多種少量生産に不利となる。
【熟練の必要】
金型による鍛造の場合、順次成形工程およびその金型の短納期設計にはかなりの熟練を必要とする。一方、自由鍛造の作業法案の決定にも高い熟練度が必要である。

【参考】鍛造